山形さくら町病院 病院長挨拶
山形さくら町病院 病院長
江口 拓也
心の病の特徴は、身体疾患と違い目に見え難いことです。患者さんの訴えは切実ですが、周囲にはそれが伝わらない。そして患者さんご本人が心の病に気づかない場合もあります。山形さくら町病院の仕事はそれに気づき、治療させていただく事にあり、その治療は患者さんを取り巻く生活の状況、例えば家族関係、職場環境などに十分配慮し行います。
心の病は時代を反映しています。高齢化に伴う認知症、いじめ、虐待、ひきこもり、職場環境からくる心の不調など現代の抱える問題の縮図です。治療は薬物だけではすみません。患者さんがきちんと社会の一員として生活するには経済的な後ろ盾、住む家、まわりで世話、助言をしてくれる人々が必要です。当院は保健、福祉、介護との共同作業によって成り立つチーム医療・リハビリを目指します。それぞれのスタッフがその専門的知識を駆使し治療を行います。
患者さんの症状によっては精神科救急の対象になる方も多いでしょう。急性期治療後の社会、家庭、職場復帰へのお手伝いも重要な仕事です。また慢性期にある方々への安らぎの場の提供も大切です。身体の健康管理にも注意します。
当院の精神医療は経験の蓄積、そしてなによりも職員それぞれの心のやさしさに支えられたものです。引き続き最適な精神医療を提供すべく努力してまいります。
平成30年12月