二本松会Q&A

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精神科って?

精神科は初めてなのですが、どのようにしたらよいのでしょうか?

特別なイメージがあるようですが、診察の流れは内科などと同じです。
肩の力を抜いてお越しください。

精神科とはどんなところですか

精神科も他の科もそう変わった所は無い、とも言えます。
例えば・・・ 精神科の病院、クリニックは基本的に『病気』に対する治療、助言、援助を提供する場所です。
本当に軽いものから入院治療が必要なものまで様々な病態を扱います。
精神科に対するイメージは、世代や文化圏によってかなり異なります。
昔の人は、精神科に行くようになったらダメだと考える極端な偏見の持ち主もおりますし、いずれにせよ相当抵抗を覚える方が多い様です。
一方、若い人には余り抵抗が無く、他の科に行くのと同じように、不眠や意欲減退、コントロールできない強い不安、ゆううつ気分など、メンタル 的な問題を抱えたら精神科に行く、と当たり前の病院の利用の仕方をされます。(それが望ましいのですが)

そして、精神科の治療とは、人生相談ではありません。
勿論、病気を診るとは言っても、その人自身の問題と無縁ではありませんので、人生の上での重要なイベントに関して、コメントや助言を行う事はあります。
しかし、人生相談や、ごく日常的な悩み事の相談等については、 御希望に沿えない場合もあります。
もっとも、ご自分で、病気なのかそうでないのかわからないと言った事でもご相談には乗れますので、ご一報下さい。

外来通院での治療と、入院での治療の二つに分けられます。
基本的に薬物療法と、生活療法やその他の精神療法などを併用する事が殆どです。
カウンセリング(話を聞いたり助言をしたり)のみの治療は 行っておりません。
症状や病気の軽重、あるいは、ご本人やご家族のニーズに応じて治療方法もご相談にのらせて頂きます。

扱うのは確かに『メンタル』な事ですが、身体的な病気の一症状として精神症状が出る事もありますし、『脳』そのものに問題があって (例えば腫瘍、出血その他)精神症状が出る事もあります。

従って、検査の項でも出てきますが、身体的検査や、脳そのものに対する検査を 行う事もございます。

精神科医ってどんな事をするんですか?

精神科医は、『職人』と思っていただくと分かりやすいかと思います。
診察をし(9割はこの問診で診断します)、情報を収集し (ご家族から、あるいは検査から)、診断をします。
そして診断に基づいて、その人に合うと思われる治療プランを作ります。
診断の段階で、病気なのか、そうでない(性格、その他)のかを見極めます。
もし、病気で、必要なら診断書を書き、仕事を休める様に計らいます。
薬を処方し 必要なら家族を含めた周囲の人間関係に介入し(本人の回復にとって必要な情報を提供する等)、ご本人には、回復に必要な生活を処方します (ひたすら休んだ方が良いのか、リハビリの為に動いた方が良いのか)。
そして、入院治療が必要なのか、外来通院で良いのかの判断をします。
また逆に、病気でないと診断し、精神科的治療の適応では無いとお断りする事もあります。その様なケースの場合、精神科に繋がることで却って て事態を複雑化し、問題を大きく、そして長く持続させてしまう事がしばしばです。
病気を治すのは患者さまご本人であって、病気が治りやすくなる様に援助するのが精神科医の仕事です。
薬物を含めた生物学的環境を処方し 、あるいは、ご本人の回復に必要な社会学的環境を得るためにケースワーカーに介入してもらったりします。
入院でも外来でも、精神科はチーム医療です。
精神科医一人では何もできません。
社会経済的援助をとりつける様な事は得意ではありませんし、専門家であるケースワーカーにお任せした方がずっとスムーズな解決が得られます。
また、心理検査やその他の心理学的な介入などは心理士 に助けてもらいます。
リハビリテーションとして作業療法が必要なら、指導や評価を含めて作業療法士の力を借りなければなりません。
また、病棟でも、外来でも、実際の治療は看護師がいなければ何もできません。
患者さまと接する時間が最も長く、精神科の治療では特に重要な 役割を担うのが看護師です。
また、精神科の治療は実際には事務受付の笑顔から始まり、その日は最後の会計を済ませてお帰りいただくまで続きます。
次回の外来まで薬を実際に飲んだり、養生するのは患者さまですし、ケアをするのはご家族です。
ちなみに精神科医が精神科的な病気にかかると、自分では治療できません。
他の精神科医にお願いする事になります。

精神科、神経科、心療内科、神経内科どう違うのですか

精神科と神経科は、同じ物の違う呼び方と思って頂いて結構です。
精神科は精神症状が出る病気について、その診断、治療をする科です。
一方、神経内科は、精神症状を扱う科ではありません。
中枢神経を含めた全身の神経系の病気を扱う科です。
細かい所は精神科や脳神経外科 と重なる所も無い訳ではありませんが、基本的には神経内科は手術をしませんし、精神症状そのものにアプローチし、コントロールをする事もありま せん。
さて、心療内科、、これがややこしいのですが、二つ考えられます。
本当の意味での狭義の『心療内科』が一つ。
もう一つは、精神科と言う呼び名が無用な偏見を呼んで敷居が高くなる(来院しづらい)と言う現象から、広い意味で心療内科と言う呼称を使うが、実際の内容は精神科と 同じ、広義の心療内科とあります。
本来の狭義の『心療内科』とは、メンタルな状況がその症状に強い影響を及ぼし、実際に器質的な変化を身体 に及ぼすような病気(気管支喘息、高血圧症、アトピー、顎関節症、ストレス性胃十二指腸潰瘍、、、、)に対して心身両面からアプローチする科 の事です。
蛇足ですが、最近、一般内科でも抗うつ剤(SSRI とかSNRIと言われる薬剤)を処方される様になり、それで良くなっている方は良いのですが、 時折、診断が間違っていたり、処方が適当でなかったりして、精神科に回ってみえる方が少なくありません。
精神的な問題につきましては、 最初から精神科(神経科または広義の心療内科)を受診される事をお勧めします。

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