2012年2月アーカイブ

認知症の理解

 上山病院 庄司 ミサヲ

 

日本では、高齢化人口の増加に伴い「認知症」という言葉も定着し、身近なものとして受け止めている方も多くなっているのではないでしょうか。数年後には3~4人に1人が65歳以上という時代がやって来ます。その時にあわてないために、また、現在ご家族の介護や認知症に関する悩みでご心痛の方に、認知症デイケアの看護師として助言をさせていただきます。

 

認知症と上手に付き合うために大切なことは認知症を理解し、振り回されないことです。

 

 

認知症とは、もともと正常に発達した知能が、脳の病気や障害により持続的に低下した状態のことを言います。

 

認知症の症状を理解しておくことは、日常生活におけるさまざまな問題行動の解決の糸口や温かいサポートにつながり、介護者の負担軽減ともなります。

 

主な症状は5つあります。

 

①日にちや時間や場所、人物の見当がつけられなくなる(見当識障害)

②言葉がうまく話せなくなったり、相手の言葉を理解出来なくなる(失語、言語障害)

③いつもしている動作が出来なくなる(衣装を着たり脱いだり出来ない、使い慣れている道具が使えないなど)(失行)

④物の置き場所や使用目的がわからなくなる、体の部分が認知出来なくなる、鏡に映る自分が誰だかわからなくなる(失認)

⑤物事を具体的に進めていく能力が損なわれる(それまでにしていた料理、洗濯、掃除が出来なくなる)(実行機能障害)

 

このように、一つの体に多くの障害をかかえることになり、病気の進行によりさまざまな混乱行動を起こすことになる訳です。

 

適切なケアの基本

 

 以下のようなことが重要だと考えています。

 

物忘れを責めない対応

耳を傾け、気持ちや訴えを受け入れる

残っている健康な身体機能への働きかけ

不安を理解し、解消に努める

ストレスの軽減

生活環境を整える(安心出来る居場所に)

会話や伝達はわかりやすい言葉で簡単に

コミュニケーションのポイント

 

 やさしく、ゆったりと…

 

本人の『今』の気持ちを大事に

本人の気持ちを感じながら

わかりやすいなじみの言葉で

一度にたくさんのことを伝えない

本人を敬い丁寧に伝える

言葉以外のコミュニケーションを有効に

説得ではなく納得を

認知症になると、自分の状態や感情を人に伝えることが困難なります。周囲の方がよく観察し、適切なコミュニケーションをとることを通して、ご本人に『安心出来る居場所である』と感じていただけるような接し方が大切なのではないでしょうか。

 

(認知症デイケアセンターあららぎの里 看護師)